
自宅の玄関ドアや車で使っている鍵の種類をご存知でしょうか?鍵は毎日使う重要な存在でありながらも、小さな鍵ひとつに気に留めることは少なく、種類をわかっていない方もたくさんいらっしゃるかもしれません。鍵にはたくさんの種類があります。見た目が似ていても、性能や防犯性が全く違うこともあるのです。
本記事では、鍵にはどのような種類があるのかを中心にご紹介します。それぞれの特徴や構造の違いについて、そして自分の鍵についても理解を深めていれば、鍵を交換する際や鍵紛失してしまった際にきっと役に立ちます。また、スーツケースの鍵や防犯性の高さが自慢の電子錠についてもご説明します。
目次
シリンダー錠は何が良い?
家の鍵として一番使われているのがシリンダー錠です。鍵穴に鍵を挿して回すことで解錠できる構造になっています。日本で一般的に扱われているシリンダー錠はおもに5種類あります。それぞれ形状や構造の違いがあり、防犯性などの機能の面でも異なる点が見られます。自分が使っている鍵はどのタイプなのかを確認しましょう。
シリンダー錠の種類

●ディスクシリンダー錠
一般的に使用されている鍵で、戸建住宅やマンションなど建物を問わず多くの場所で採用されているタイプです。しかし、じつはピッキングに弱い鍵ともいわれていて、最近では使用が減ってきているようです。
●ロータリーディスクタンブラー錠
従来の鍵の典型であったディスクシリンダーを改良してできたタイプです。おもに一般住宅で使用されており、見た目はディスクシリンダーにとても似ています。スペアキーを作るときは正確な鍵である必要があるため、費用が高くなり、作成時間もかかるといわれます。
●マグネットシリンダー錠
鍵の側面部分とシリンダーの内部にマグネットが埋め込まれており、磁気が反発しあうことで鍵が回転するような仕組みになっています。磁気が弱まると解錠しづらくなり、防犯性も弱まるので定期的な交換が大切です。
●ピンシリンダー錠
ディスクシリンダー錠と同じくらい多くの家庭で使われているタイプの鍵です。ディスクシリンダーとは形状が違って、鍵の溝が片方にだけあります。ディスクシリンダー錠同様、防犯性はあまり高くありません。
●ディンプルシリンダー錠
「ディンプルキー」と呼ばれることが多い鍵です。ピンシリンダー錠をより複雑にしたもので、シリンダー錠の中でも防犯性が高いことでよく知られます。鍵先が丸くなっており、側面に円状のくぼみがいくつもあるのが特徴です。
このようにディンプルシリンダー錠にもたくさんの種類があります。ディスクシリンダー錠とピンシリンダー錠は多くの場所で使われているものですが、防犯性が低いことが懸念されています。対して、ディンプルシリンダー錠は構造がとても複雑なので、防犯性の面でとても優れています。
ディンプル錠は、なぜ防犯性能が高いのか
さきほどご紹介したディンプル錠(ディンプルシリンダー錠)はほかの種類と同じシリンダー錠なのに、なぜ防犯性が高いのでしょうか。同じ鍵穴と鍵だけでできているため、違いが分かりづらいかもしれません。
ディンプル錠の防犯性の高さの理由は、ピンの多さにあります。ピンが多いということはその分内部の構造が複雑になっておい、空き巣犯がピッキングなどで不正解錠しようとしてもなかなか解錠できないようになっているのです。家に住まうご家族や財産を守るためにはとても優秀な鍵なのです。
ディンプル錠にはデメリットもあります。ディンプルキーの合鍵を作製しようと思うとほかの種類に比べてコストがかかることです。また、作成できる業者がやや少ないので、鍵トラブルが起こった際には注意が必要です。普段から対応してもらえる業者を探しておくと安心です。
犯性能が高い!電子錠の主な特徴
鍵といえば、錠前の鍵穴に挿し込んで回すタイプ、つまりシリンダー錠という印象が強いと思います。しかし最近ではシリンダー錠だけでなく、オフィスなどを中心に電気を使った鍵も増えてきています。
電子錠は、より高い防犯性が期待できるとして注目が集まっています。気になる種類やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。
電子錠の種類

電子錠は使い方や仕組みによってたくさんの種類に分類されます。ここでは主要な種類4つをご紹介します。
●リモコン
代表例はキーレスの車です。鍵が車に触れなくとも近づくだけで解錠することができ、ポケットから鍵を取り出す必要がないのでとても便利です。
●カード
ICチップが搭載されていて、カードをかざすだけで鍵を開けることができます。ドアが閉まるとオートロックしてくれるので、鍵の閉め忘れがありません。また、空き巣犯によるピッキングの心配もせずに済みます。
●生体認証
人の体の一部を使って鍵を開けるタイプの鍵です。指紋や顔などで承認をするものがよく知られます。生体情報を登録された人しか解錠できない仕組みになっており、非常に防犯性が高いです。
●タッチパネル
ドア付近にタッチパネルを設置し、パネルに暗証番号を入力することで鍵の開け閉めをおこないます。パネルに携帯電話やカードをかざすことで解錠するタイプもあります。
電子錠って本当にセキュリティが高いのか
【メリット】
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【デメリット】
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このように、電子錠は防犯性や機能性の面ではかなり優れていることから、オフィスや集合住宅で採用されることが増えています。しかし、コストや故障時のリスクの面では不便なこともあるため、一般住宅ではあまり取り入れられていないようです。電子錠を取り入れようか迷っているときは、メリット・デメリットを両方確認したうえで、自分に合っているかを判断することが大切です。
スーツケースに使用されるTSAロックとは
国内・海外を問わず旅行に行く際にはスーツケースを使う方は多いのではないでしょうか。スーツケースの鍵にはさまざまなタイプが採用されていますが、「TSAロック」という鍵がよく使われます。ここではTSAロックの特徴を説明していきます。素知らぬ人に鍵を勝手に開けられてしまうことがないように、鍵の防犯対策方法もご紹介します。
TSAロックとは?

TSAロックとは、アメリカ運輸保安局(TSA)が認めた鍵のことを指します。アメリカではセキュリティチェックが厳しく、航空会社に預けるスーツケースの中身を確認するため鍵を開けたまま荷物を預けるようにと指示されます。鍵が開いていないなければ、TSA職員が鍵を破錠することもあります。
しかしTSAロックのスーツケースなら、鍵を壊される心配も、鍵を開けたまま預ける不安もありません。TSAロックはTSA職員のみが開錠できるような仕組みになっているので、鍵をかけたまま空港でスーツケースを預けることができるのです。
このような理由からTSAロックは多くのスーツケースに採用されており、アメリカ旅行の際にはとくに重要な役割を担います。
鍵だけではなく、他の防犯対策も併用する
TSAロックは空港でのセキュリティチェックの際には壊される心配はありません。しかし、荷物を狙う犯罪者に勝手に破錠される可能性がないわけではありませんので、きちんと防犯予防をすることが重要です。個人でもできる防犯対策は次のような方法です。
●スーツケースベルト
スーツケースの目印として使われている方もいらっしゃるかもしれません。スーツケースベルトにはダイヤル式の鍵などのロックが付いているものもあり、防犯強化には最適です。
●南京錠
ジッパーで開け閉めするタイプのスーツケースの場合、もともとスーツケースに鍵がついていないことがあるでしょう。鍵がついていなければ、南京錠をつけましょう。鍵ひとつで防犯性は格段に変わります。
●ガムテープ
スーツケースベルトが見当たらない場合、少しでも防犯性を強化したいというときはガムテープがおすすめです。鍵を開け閉めするロック部分にガムテープを貼って保護をします。
●ビニタイ
ビニタイとは、ラッピングなどで袋を閉じるときに使われる針金が入った留め具のことです。スーツケースの鍵を開けたまま預けなければならないとき、ファスナーの隙間にビニタイを通してねじって止めるとわずかながらも防犯効果を期待できます。また、スーツケースを移動させるときの衝撃で荷物が散らばる心配もありません。
まとめ
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